タイトルいらんだろってなくらいめちゃくちゃ短いショート・ショート。
ニルティエで愛の大きさを比べるとティエリアに軍配が上がると思う。
貴方の生まれた国が見たい、と言ったら、地上だぜ、と返された。
確かに地上は嫌いだった。見下すべき、愚かな種族のひしめき合う場所でしかなかった。けれど今は違う。貴方がいる。
「そういうの、よくそんな真顔でさらっと言えるよなーティエリアは……」
「? なぜ照れるのですか?」
「……わかんねぇお前が俺はわかんねぇ」
ニールは笑い、わしゃっと乱雑に自分の頭を掻き混ぜた。栗茶色の毛が長い指に絡みつくのを、うらやましいと思って見つめた。
「それで、私を連れて行ってくれるのですか」
「アイルランド? いいぜ、お前が行きたいなら」
「いつ」
「こいつの整備が終わ……あー、おやっさんに任せちまうか。今から行こうぜ。ティエリア」
腕を引かれる。強引に手首を引き寄せられて、ニールの顔がすぐ近くに迫ったと思ったら軽く唇を啄ばまれていた。ちゅっと小さく音が鳴る。ニールはいたずらっぽく舌を出す。
好き。
言ったらニールは目を丸くして口元を押さえ、だから何で真顔でさらっと、と再び顔を赤くした。
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