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夕 凪 大 地

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「通」

久々のニルティエでございまーす。
1期1話直前くらいなんじゃないでしょうか。




 ティエリアは自ら通信を開いた。彼に。
「先に出撃します。貴方も……お気をつけて」
『りょーかい』
 ヴァーチェのコクピット内モニター左、小さく区切られたウインドウに、ロックオン・ストラトスの飄々とした顔が映る。まだヘルメットも被っていない。右手を顔の横へ垂直に立て、ウインクさえしてみせる彼は、それまで相棒であるハロと戯れていたようだ。
 彼は緊張しないのだろうか。CBが全世界に対して宣戦布告を叩き付けようという時に。
「……気をつけて」
『あぁ』
「くれぐれも気を、……いえ」
 なんべん言うんだ、と揶揄されそうな気がしてティエリアはやむなく口を噤んだ。だが予想した揶揄はない。ティエリアは肩透かしを食らった気分でモニターのロックオンを見る。すると彼は、珍しく、優しい笑みを引っ込めた。
『なぁ』
「はい」
『約束しようぜ』
「どんな」
『簡単だ。お互いトレミーに無事戻ったら、』
 ティエリアは音量のボリュームを上げる。ロックオンの声は低く、ゆったりとして、一音たりとも聞き漏らすまいとするティエリアにはもどかしいほど小さかった。意味はないのに左へ体が寄ってしまう。ロックオンの画像の口許で必死に耳をそばだてる。
『――キス、しようぜ』
 ロックオンは息だけで笑った。
「……そんなもの……いつも、しているではないですか……っ」
『おーおー真っ赤んなって、かわいー』
「馬鹿にしないでもらいたい!」
『ん、いつもの調子が出てきたな、ティエリア』
「……ロックオン……」
 それでようやく、自分が緊張していたらしいことに思い至るティエリアである。でもこの自分がミスなど決してするはずがないと思い込んでいるから、不安をロックオンに転嫁している。
 この人には何でもお見通しなのだ。
「……ロックオン……気をつけて……」
 我慢できずにティエリアはまた呟いてしまう。ロックオンが小さなウインドウでも見て取れるよう大げさな動作で頷いてくれる。
「気をつけてください……ニール」
『ッ――ティエリア』
 モニターとバイザー越しに、請われた約束を前倒しして一つ与えた。
 続きはトレミーへ帰還してから。ティエリアは唇だけで笑み、ヴァーチェの発進シークエンスに移行する。幾度となく繰り返してきた手順を、今度は初めて、練習でなく実戦として行うのだ。いよいよミスは許されない。
 緊張を飲むように目の端へちらりと横切らせてみればウインドウは、苦笑するロックオンをいつまでも映してくれていた。








書き上げてから、こんなイチャっといて9話(だっけ)でテロがどうのとマジ喧嘩するかよって思いました。
まいっかー。

9話(だっけ)(調べろよ)(めんどくさい)のロクティエ喧嘩シーンが大好物です。
あの後をエロ的に補完したくてたまりません。

でもあそこ、どこ?
無人島?
どこで寝泊まりしてるの?
1期2代目EDはあの島なの?
じゃああの前後4人であんなことしてたの?

…と、考え出したらキリがなくなってめんどくさくなりました。
でも気が向いたらやってみたい。
電波なせったんと交流を試みる(そして失敗する)アレルヤとかも。



追記:
私の大好きなニルティエ喧嘩シーンは9話じゃなくて7話でした、あ、1期のね。
(↑結局調べた)
1期9話はライルちゃん初登場のやつでした。
この時はまだかっこよかったのにね、ライルちゃん。
いつからあんなかわゆい子になったんだろう。

どうでもいいですがライルちゃんが29歳という衝撃の年齢を知った私…。
29であのかわゆさかよ!
んもう! ライルちゃんたら!

そっか、兄さんが1期当時で24だもんなぁ。
つうか24であんな男前って詐欺だろ!
私の周りで24の男っつったら完全にガキばっかでしたよ。
あー、でも二次元的にはだいたい23歳以上が大人の男性って気ィしますね。
自分の年齢を棚に上げなきゃうっとりできない、いやうっとりするけども。

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