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夕 凪 大 地

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まだまだ媚薬

「媚薬4」!!!(笑)

攻めが自らすすんで媚薬を飲むって見たことないなーと思い立ち。
予想外の展開にはならないけど(どうせエロだし)、その過程がちょっとだけ奇抜?

 いつもの喧嘩の延長だった。アスフェルがルックに夜伽を迫り、ルックは拒んで、激しく啖呵を切ったのだった。僕の体だけが目当てなのか、と。
「――これで、信用を勝ち取れるなら」
 ルックの前で仁王立ちになって、アスフェルは何かを飲み干した。
 ルックに投げて寄越された瓶は手書きで「媚薬」とラベルが貼ってある。中身をすり替えていないのならば、アスフェルが飲んだものは陰茎の勃起を促すための薬品だ。
 なぜそんなものをベッドサイドへ隠し持っていたかは別の機会に問い質すとして、ベッドへどっしり腰掛けたアスフェルをどうやり過ごそうかと、ルックはほんの一瞬迷った。飲んだ薬品が本当に媚薬なのかを一瞬疑ったのだ。
 そしてその一瞬を見事に奪い、アスフェルがとんでもない賭けに出る。
「今夜は一切性的な接触を施さないと神に誓おう。神が信じられないならば今宵の冴え渡る三日月にでも、ルック、愛しい君の御名にでも」
 つまり、自身を追い詰めた状態でルックと同衾するつもりらしい。
「……性的かそうでないかはどう見分けるの」
「ルックがそう感じたかどうか、という主観的な判断で構わないよ」
 アスフェルは口許だけを曲げて笑んだ。喜劇的に両手を広げて言い放つ。
「俺はただルックの体の温もりをそばに感じたいだけなんだ!」
「それ、僕が前あんたに言ったよね」
「……そうだったかな」
「しらばっくれるし」
「とにかく俺は、ルックの性感を煽る目的で体を触ったり、性器を弄ったり、ましてや俺のコレを挿入したりあまつさえ中に出したりは、絶対に、しない! ――今夜は」
 最後に小さく付け足したのは律儀すぎるアスフェルの性格ゆえだ。思わず苦笑を浮かべかけたが、ルックは無理矢理頬を膨らませて不機嫌な表情を作り込む。腕を組んで冷たくアスフェルを睨み下ろす。
 この賭け、一見アスフェルに不利なようでいて、真に不利なのは断然ルックの方である。アスフェルは勝とうが負けようがルックの傍らで一晩を過ごせることに変わりない。一方のルックはアスフェルへ同情して体を許してしまっても負け、一晩突っぱね続けたとしても得られる報酬は何もないのだ。どうしても賭けに勝ちたいのなら、賭けそのものを放棄してこの家から逃げるより他にない。
 ところが、不敵な笑顔を浮かべてルックを見上げるアスフェルは、ルックが逃げるなどとつゆほども考えていないようだった。

 

ここまででもう力尽きた…。

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