文才がない!
フェリシモたまに注文するんですが、今月届いた段ボール箱に「フェリシモ文学賞」なるチラシが入ってまして。
2000字程度の掌編小説、16回目の今年は「かわいい」がテーマだそうです。
こういうの試しにやってみたいなぁとぐるぐる考えていたんですが…。
考えた結果800字ちょいの坊ルク未満が仕上がりました☆ てへっ☆
二次創作でホモとか!
何をどう応募するつもりなの私wwwww
アスフェルはりんごの皮を剥いたことがないらしい。
聞けば、他人に剥いてもらえないときは丸のまま齧って食べるからだと。無精ではなく、皮の歯ごたえが好きなのだそうだ。
「だから、包丁をこう」
「待ってルック。無理。指を切りそうだ」
「でもそうやって持つと逆に危ないの。力加減が」
アスフェルは真剣に剥こうとするあまり前屈みになっていた。ルックの教えた通り包丁を握り、りんごへ斜めに刃を入れる。
顔は真剣そのものである。五ミリ剥くごとに手を止めて、隣で手本を示すルックを睨み付けるように観察してくる。
「こうか」
「……それでもいいけど」
「この状態を維持しつつ、最後まで皮を繋げて剥けば良いんだな。難しい」
「別に繋げる必要はないよ。包丁裁きに長けて見えるってだけで」
「なら繋げるさ」
アスフェルは新しいことに挑戦するのが好きだ。世の中を遊戯のように捉えているのかもしれないし、世の中から自分の知らないものごとをなくしたいようにも見える。
「あのね、ルック。俺はそう貪欲ではないよ」
ルックのちょっとした無言から何やら勝手に読み取ったようだ。アスフェルが手を止めずに口を動かす。
「ルックの影響なんだ。ルックの知りたがり病が移った」
「知りたがり病?」
「そう。体験したがり病とも言う。ルックはたいていのことを書物で読み知っているけれど、実際に触れた経験は驚くほど少ないだろう?」
ルックは目を丸くした。
言われてみればその通りなのだった。ルックにとってほとんどの知識は書物由来のものである。自分が頭でっかちなのは自覚していて、自分に足りないのは若年ゆえの実体験であるとも自覚している。
「ルックの好奇心が、純粋なものに思えて、羨ましくて」
「ふぅん……」
アスフェルのりんごの皮が途切れた。まな板の上にとぐろを巻いて落ちる。まだ半分ほどしか剥かれておらず、何でも器用にこなすアスフェルが失敗したのは明らかだった。
アスフェルはばつの悪そうな顔でルックを見つめた。それからぺろっと舌を出して苦笑した。
「みんなには内緒な」
アスフェルはこんな顔もするのか。
目を奪われて、ルックの皮も途中で千切れた。
かわいくねぇぇぇぇ。
しかもあれだ、5W1Hが「りんごを剥く」というW1つしかない。
いや頭の中では2時代後半、秋の夕方、本拠地食堂のキッチンでおさんどん係のおばちゃん数人がドキドキハラハラ見守る中とあるんですが、それを盛り込むだけのふくらみがこのネタにはないんですよね。
私はいつもいつも思いつきと勢いだけで文を書くのが非常に良くないと思います。
ネタをもっと練らなければならない。
フェリシモ文学賞、もし仮に万が一応募するとしても二次創作ネタはやらないですよ!
私の一人称で私小説風になるんじゃないかなぁ。
っていう設定の時点でクソなネタにしかならなさそうなんで応募しなさそうですが。
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