いっこ下の小小話「かわいい」へさっそくの拍手をありがとうございました!
あざといだけでかわいくないですとか言われると思ってたんですが(笑)
あれですね、坊っちゃんという生き物は何をやっても許される存在なのですね。
さて、昨日は一晩中「かわいい」について考えてました。
…考えた結果。
またしても坊ルク未満だぜっ☆
もう駄目だ。
私の脳は二次創作とホモへしか働かない。
ある意味優秀すぎる。
夏のルックはいつにも増して凄味があった。
古株の魔法兵に言わせれば「夏バテっすね、あれは」だそうだが、元から痩身だった彼は、枯れ枝のように細っている。青白い顔で顎は尖り、頬骨が出て、落ち窪んだ眼窩からぎろりと睨み付ける眼差しだけがいつも通り鋭利なままだ。すると視線はいつも以上の迫力を持つ。畳みかけられる毒舌と相まって、慣れぬ者ならその場で泣き出しそうになる。
「と、いうわけで、差し入れだ」
ルック団長が怖いんすよぉ、と新兵に上申されていたアスフェルは昼食後、視察の意も込めて演習場へ赴いた。城内には場所がないため、トラン湖を少し南下したところにある草原へ簡易テントを設えて集団魔法の演習場としている。
ルックは珍しく血色が良かった。それもそのはず、魔法兵は大掛かりな火魔法の演習を行っていたのである。至近からその効力を確かめているルックの皮膚は、熱風に容赦なく煽られて真っ赤になっていた。
「何それ」
「麦酒」
「あんた馬鹿? 馬鹿じゃなきゃ大馬鹿? 酒樽いくつ持ってきてんのさ」
「瞬きの手鏡で転移したから大丈夫。重くなかったよ」
「……大馬鹿」
ルックはうんざり溜息を吐く。アスフェルは樽ごと城へ帰されるかと身構えたけれど、ルックは渋面のまま全軍に休憩を言い渡した。
汗だくになった魔法兵らが次々と酒樽を空にする。アスフェルはしばらく彼ら一人一人を労ってから、ルックの引っ込んだテントを覗いた。
「ルックは飲まないの?」
「僕の知る限り、酒で魔法精度の上がった例はないね。判断力の上がった例も」
「酒は命の水とも言うよ」
「それは蒸留酒でしょ」
ルックはブーツを脱いでいた。暑苦しそうな法衣は着崩さない代わり、足だけでも涼を取ろうとしたのだろう。簡素な椅子へ素足を投げ出して座っている。
ふと先ほどの魔法兵らを思い出し、アスフェルはルックの額を見た。額からこめかみ、首まで目を走らせる。が、汗は一滴も浮かんでいない。汗をかきにくい体質なのか。
見つめていると、ルックがふいにアスフェルを見上げた。
「で、本当の用は?」
「ん?」
「まさか本当に差し入れを持ってきただけなわけ?」
「ああ」
「敵影が見えたとか新しい封印球の実験をしたいとかここに内通者がいるとかじゃなくて?」
「よくそこまで勘繰ったな」
「僕がお酒キライなの知ってるくせに僕用の飲み物も持たないで!?」
ルックは勢いよく立ち上がった。眩暈にか少し胡乱な目をして、アスフェルへ人差し指を突き付ける。突き付けるといっても顔へではない。差すのはアスフェルが腰に提げている瞬きの手鏡だ。
「ももジュース!!」
ルックのわがままな要望に、アスフェルは堪え切れず腹を抱えた。
かわいくねぇぇぇぇーーーーー
しかも、またしても5W1Hが丁寧に盛り込めませんでしたすいません。
1時代、シャサラザードを攻める1ケ月ほど前のつもりです。
クロウリーが魔法団長に就任した後なのでルックは若干手を抜いてます。
(だからすぐに休憩させた)
ちなみに演習自体はクロウリーの命令なので、嫌々ながらも真面目に指導してるみたいです。
クロウリー本人が不在だから(団長は会議とかもあるし暑いのは老体に云々とかってね)ちゃんと指導してる模様。
さすがツンデレルックさま。
とかいう小ネタを盛り込めない私の文才よ…。
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