人様の学園モノを拝読しますと、むっしょーーぉに、ルックの学ランが恋しくなってしまいます!!
「……あっつい」
言いつつカラーへ指を遣るルックに思わず苦笑を返してしまう。本音にしてはその唇が未だ冴えない紫色だし、嫌味にしては耳に痛いどころかむしろ甘美にすぎるだろう。
初夏といっても差し支えなく地へ照りつける陽光に、梅雨の前触れを感じさせられるほのかな湿気が混ざり合う、五月最終週の昼休み。やはり体調を崩しているルックが眉間へ薄く皺を刻む。
「脱げばいいとか、言わないでよね」
溜息に溶かす皮肉の片鱗が蒸す教室に飲まれ液状化。頭痛が止まないとぼやくルックは中指の先でこめかみ付近や耳の付け根をしつこく突付く。揉んでほしそうに見えるのだけれど、弱っている部分へ触れられるのは誰であっても嫌らしい。天邪鬼なのだ。
「あのね、あんたワケもなく楽しそうな顔してるけど、さっきからあんたに反省を促してるってちゃんと分かってんの? 衣更えまでもう一週間切ってるのに」
視線に耐えかね、矢継ぎ早に沈黙を埋めようとするルック。校章越しに詰襟の奥をとんと叩いてアピールするも、昼間っからすべき話題ではないことに思い至ったのかぴたりと口を閉ざしてしまう。
そっと頬に刷ける紅、うろたえて虹彩の薄まるまでが、まるで五月の桜のように移ろうものだ。目を奪われる。
「……とにかく、困るから」
急に素直な声が出た。
長広舌なルックよりもふとした瞬間の控えめなルックがうんと愛しい。そんな態度、他の誰に向けられたことがあるだろう。
本格的に痛むこめかみを親指の腹でぎゅうっと押して、ルックは暫時目を伏せる。かぶさる予鈴、いつも決まって五分前には教室へ来る英語教諭の荒い足音。
ふいに、ルックの手が伸びた。
「……じゃ」
また、と掠れる語尾が残る。第二ボタンまで寛げていた学ランのカラーを掻き合わされて、ホックまでしっかり掛けられて。暑さのせいじゃなくあつくなる。
開いたままのボタンとそこから飛び出そうに脈打つ心臓、どうしてくれるかを問う前に、ルックは自席へ戻ってしまった。
パラレル中3、何とぼつんは公立校に通っています…。
小学校は私立だったんですが、何を思ったんでしょうね、いきなり公立中学に移りました。
高校で私立に行ったのはもちろんルックを追いかけて。
ちなみにルックは家から最も近い公立がいわゆる底辺校だったので私立を選んだみたいです。
そして、どうでもいいですがテッドは公立小→公立中→私立高、キキョウは何回か転校してて最終的に王子と同じ高校(笑)
王子はキキョウの2つ下です。
このあたりもそのうちじっくり書き込みたいですねv
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