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夕 凪 大 地

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タイムカプセル

10年前の年の瀬のことです。
突然、父親が「タイムカプセルを作る!」と言い出しました。
末っ子長男へ家族のありようを見せでもしたかったのでしょうか。
有言即実行の父、10年前のちょうど正月に、タイムカプセルは祖父母邸の前庭へ埋められたのです。

当時の私、ちょっとリアルすぎて痛いですが、うちの王子さんくらいの年齢でございました。


我が家は毎年盆と正月に祖父母の家へ里帰りをするのですが、その時私は風邪を引いていて、母と二人で数日遅れて祖父母宅に参りました。
私が寝込んでいた年末の間に父は弟と祖父母宅にてタイムカプセルを完成させておりまして(缶の全面にパテを塗る凝りよう…馬鹿だ)、元日の午前中、中に入れる手紙を1人1通ずつ書いていた様子です。
私はといえば母と二人で年末のうちに手紙を書いておりました。
熱の収まった元日の朝に電車で祖父母宅へ向かい、何枚かの写真、思い出の玩具類、父らが箸袋の裏に書いた手紙とともに、まとめてタイムカプセルの中へ封印し、地中深くへ埋めました。

あれから10年。
祖父は亡くなり、私は父の戸籍を出たわけで、月日とはすごいものでございます。


つうかな。

10年前の自分がリアルに腐っててすごかった。


私と母以外は元旦の朝からお神酒だのビールだの飲んで酔っ払って手紙書いてるから、ものすごく他愛ない内容なのよね。
10年後は元気ですか、みたいなね。
筆跡もふわふわしてるし。

だけど私は風邪で魘されながら部屋で独りでシリアスに手紙を書いていたわけでして。
要するに、何か入っちゃった感じ丸出しのクソ恥ずかしーい手紙でした。



※抜粋
――今が同人活動最盛期だと思う。

――学校生活はくだらない。
――唯一、昼休みの同人ガールとのバカトークだけが救いだと思う。

――完ペキな人間になれ。(中略)私が導いてきた人生って、それだから。

もーいーよマジお前!
10年後にみんなで回し読みするって想像くらいしとけこのクソガキが!!

(↑何つうかありえない文章だったので誰にも読ませず死守しました)
(家族のブーイングときたらまったく、どんだけ痛烈に批判されたか)
(でもコレ家族に読まれたらマジ終わりだろ)



ツッコミどころは随所に散らばってるわけですが、アレですね、病んでたといえば聞こえいいですけど、正直その病んでる状態におもくそナル入ってますよね。
あと相変わらず着飾った言葉が好きで。
ものすごく視野が狭いのもやはり昔からで。
愚痴をかっこよく聞かせようと才女ぶってみたり。

全体的に、最もダメなヲタ臭腐女子へ仕上がっていると思いますorz



何かアレなんですけどね。
本当、相変わらずものごとの一側面のみをかっこつけて切り取りますがね。

大事だと思ってたものって、10年も経てばあっさり手放せちゃうものですね。

私は昔からむちゃくちゃプライド高くって、今もそれなりに低くはないんですけども、それでも昔より今の方が妥協できるものが多くなった気がします。
自分ができないことや知らないことがあるの、昔はすごく嫌で嫌で、すべてを知る権利があるなんて当然のようにブってました。
ほんと可愛げのない…。



とりあえず、タイムマシンの教訓。
(1)後で見られて恥ずかしくないものを入れましょう。
(2)これさえあれば、後はどうだって、と思い込むのをやめましょう。
(3)そもそもこのブログこそ、10年後に読んだら確実痛さに凹むんだけど!!





さて、10年前の自分が書いた手紙をどうするかというと。
すいません、捨てます。
でもただ捨てるだけだとまた両親にうるさく催促されるので、何と私、

ダミー作っちゃいましたv(爆笑)

同人のとこ省いて書き直して、ある程度痛いとこは残してですね。
だってタイムカプセル開封した時点ですぐみんなに見せなかった理由は残しとかなきゃね。
で、ちょちょいと取捨選択し、字も下手めを意識して、ダミー手紙をこっそり作成いたしました。
10年の歳月が感じられるようただ今鞄に入れて持ち歩き、適度に紙を痛めております。


…10年経っても馬鹿だな、私。

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